初めて武器庫を訪れた時の感触、興奮をわたしたちは忘れられない。
とてもいい匂いとは言えない、錆びついた匂いや火薬の匂い。
しかし、わたしたちにとってその匂いは美しく、変化を加えるには充分だった。
これまでの十数年、わたしたち姉妹にとっての世界は退屈そのものだった。
将来やお金…何一つ不自由のない生活。
なぜ、そんな良い環境に不満を抱くのか?そう思う人も多いだろう。
この生活は自分たちが努力をして手に入れたものではなく、警察官僚のパパやママがわたしたち姉妹…つまり子どもたちにとって100%の人生を歩ませるために幼い頃から椅子に縛りつけ、この世界の不都合に強固な目隠しをしていたのだから。
数年前、パパが働く警察の武器庫に初めて行った時、この世界は娯楽、楽しさに満ち溢れているということを知った。
それはわたしたちにとって、初めての”学び”だった。
その日を境にわたしたちはたくさんのおもちゃを手に入れた。
小さい頃、パパやママが買ってくれたぬいぐるみや賢くなる図鑑ではない、本当に心から楽しめる”おもちゃ”をね…!
引き金を引けば音速で弾丸が飛び、人は血を流してこの世にサヨナラを告げる。
武器を使えば、明日の存在を信じていた人たちが明日を迎えることなく、呆気なく終焉を迎える。
そんな恐ろしい、いや楽しい遊びが存在するなんて、もう…我慢できないよ。
わたしたちと形がよく似た肉体は、どんどん変形して楽しませてくれる。
髪を引き抜くときの叫び声は聞いたことのない面白い声を聞かせてくれるし、殴ったときに顔が歪むのはとても笑える。
悪いことだとは思っていな...