【始祖の銀竜】
暗黒時代の前、黄金時代より遠い昔、すべての竜の“起源”となる存在が誕生した。
『始祖の銀竜』である。
古えにも“竜の様な生物”は世界の各地に存在していたが、「それら」は竜というよりは「ヘビ」に似た存在だった。
知能(知性)も持ち合わせておらず、山脈の底から突如として地上に姿を現し、巨体をヘビのようにうねらせた。
それは各地に無意識に発生し、地表を荒らしては岩盤を崩落させ、時にはその尻尾の一振りが小さな村を根こそぎ壊滅させたという。
成長と共に「それ」の身体の一部からは巨大な「翼」が生え広がる様に形成されたが、一方その身体は養分を吸い取られる様に枯れていき、最期には動くことすらできなくなり死に至る。
これらは、翼の重みによって飛び立つことが出来ない“未熟の竜”と呼ばれた。
やがて永い時の中でその中から「神と崇められる始まりの竜」が出現する。
その竜は巨大な翼を持ちつつも枯れることなく完全な姿を維持したまま成長し、明らかに今までの「それら」とは異なる特徴を有していた。
その巨大で美しい竜は知性と神性を感じさせるものであり、その姿を見た人々は畏敬の念を抱き、崇める対象として「始祖の竜」を認識するようになったという。
これが「竜信仰=竜派」の起源と云われている。
An original work depicting the dark fantasy world.
“True Silver : The Ur-Dragon”