【High school girl #18】KITAKUBU 【HINA】

HINA（1年） 1日で最高の瞬間はなんだろうか？ 食事?睡眠？無駄無味乾燥な例をグダグダ挙げるのはやめて答えを言ってしまおう。 そう、帰宅だ。職場や学校など「公」から解放されて「私」に戻る瞬間こそが最＆高と言える。これ以上の幸せがあるだろうか？いや、ない。 そして、彼女もまた帰宅をこよなく愛する者の一人である。 部活や同好会？確かに公に抑圧される時間が長ければそれだけ私に戻る時の爽快感はあるのだろうが、彼女にとって授業だけで公はお腹いっぱいだった。 もちろん所属は帰宅部である。 ある日の帰宅を一例として挙げていこう。 いつもなら帰宅ルートなどを頭で構成するが、今日は明確な目的があった。 昼食代として渡される500円をケチって貯めたお金を使うべきが今日だ。 500円あれば学食で豪遊できるが、彼女はかけうどん・そば（180円）を主食としている。 もちろん、たまにはカレーライス（350円）を食べたいときもある。 しかし、その差額170円が足りなくて欲しいものが買えなかった経験を脳の裏側にセットし、券売機に指が掛かったところで発動、グッと我慢し力強くかけそば・うどんを押すのだ。 そばをズルズルさせながらポケットに入れてある財布の重みを感じ満足していた。 放課後、ヘッドホンのEmpyreanを首に掛け足早に教室を出る。 おおよそ３０万円と女子高生が気軽に外でぶら下げる物ではないのだが、ヘッドホン狂の叔父から「置く場所がないから」と押し付けられたものの一つだった。他に３つ、高級ヘッドホンが彼女の部屋に転がっている。 友達からは「変わったヘッドホンだね？」と言われるが、...View all