「押忍！転校生は師範代」

ある日の下校時ー。 「よし！遊びに行くか！」 校門で隣町の不良たちが僕に声をかけて来た。 週に何度かこうやって遊ぶお金を目当てで僕に付き纏って来る。 「い、いやあ・・今日はこの後じゅ、塾があって・・。」 もちろん嘘である。 「おい、お前嘘つくなよ！塾行ってないだろ？」 昨日お小遣いもらったばっかりなのに・・うう・・。 「ねえ、青山くん！」 先週転校して来た同級生の轟さんだ。偶然にも僕の家の隣に引っ越して来たんだ。 危ないよ声かけて来ちゃ・・。 「青山くん・・の友達じゃ無いよね？青山くん一緒に帰ろ！」 きっとたかられてるの気づいて声かけてくれたけど・・。 「うるせえな、女は黙ってろ！」 一番ガタイのいい不良が轟に近づこうとした。 「何？私とやる気？」 右足をバッと高く蹴り上げたポーズで言った。 「な、なんだ⁉︎お前は⁉︎」 少したじろぐ不良たち。 「私、これでも空手道場の師範代だけど？」 右足を高く上げたままニヤリとして言った。 「お、覚えてろよー！！」 お決まりのセリフでそそくさと去っていく不良たち。 目が点になる僕。とにかく助かった・・。 「さ、青山くん帰ろ♪」