NFTでお届けする「ねじねじドーナツ部長」の日常です。
5月23日
まだ、ねじねじドーナツが誰のものでも無かった頃の話。ドーナツは、精密な機械を包む緩衝材として使用されることがありました。穴の中を通して、水平方向からの衝撃に耐えられるように機械を配置することで、「最適な緩衝材として利用できる」と、重宝されていました。
ドーナツの味さえ、とっくに忘れてしまった彼のことを、周囲の人間は皮肉を込めて「機械仕掛けのドーナツ」と呼んでいました。外の空気を自由に吸うことができない彼の体は、マスクの中に生成される調整された大気を取り入れることで、生命活動を維持しています。彼には人間と同じく自我や独立した思想があり、自分と同じような個体(=仲間)が他にもいたような記憶が、うっすらと残っています。
いつか「電気マスク」の外にある自然な空気を思いっきり吸い込んで、忘れてしまったドーナツを味わってみたい。そんな風に想像を膨らませることが、彼の行動の目的であり、人間が「夢」と呼んでいるものでした。
長い眠りから目覚めた彼に、まだ世界は気づいていませんでした。
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May 23
This was back when screw donuts were not yet anyone's thing. Donuts were sometimes used as cushioning material to wrap precision machinery. By positioning the machine to withstand horizontal shocks t...