この世界に序列というものは存在しない。
子どもたちの遊びや勉学のテスト、スポーツ大会にすら順位というものは付けられない。
誰が強くて、誰が弱いかを決めるなんて、前時代的なことだ。
競い合いではなく、互いが歩み寄り、助け合うことでこの平和な秩序が保たれている。
これは、一番という勲章に執着するわたしに、当時の教員が諭すように教えてくれた。
今でも鮮明に思い出せるほど、この時のことは覚えている。
学校の友達から好かれたい、先生からも、家族からも。皆に好かれたい…。
そんな純粋な気持ちを真っ向から否定されたような気がした。
しかし、1等…2等…と序列を付けずとも、優劣が生じてしまうのは自然の摂理だろう。
誰も優れていないものを好きになろうとなどしないし、1等と2等なら選ばれるのは絶対に前者の方だ。
皆に好かれるために、精一杯尽くすわたしがこの立ち位置にいることの、何を不満に感じているのか。
しかし、そんなことを言ったところで何にもならない。
ハイ…と小さく返事をする以外の選択肢は残されていなかった。
わたしの考えは、その言葉を受け取った後も変わることはなかった。
今もなお、わたしが一番でありたいという感情は根底にはっきりと存在している。
この社会において、序列という名のヒエラルキーのトップに君臨するのはルールを決める側。
誰もルールを否定することはできないし、壊すこともできない。
わたしがヒエラルキーの上に立ち、皆に好かれるためには“Aerie Security”へ進むことしか考えられなかった。
この社会に生きる皆は、わたしを好きでなくち...